自動火災報知設備の作動に連動、または放送設備の操作部を人が操作することで建物内に設置されたスピーカーを通じて災害の発生およびその状況等を人々に知らせるものであり、多数の者がいる防火対象物等に設置が義務づけられています。
収容人数が50人以上または、地階・無窓階(窓があっても格子等で用意に出入りできなければ無窓階)では、放送設備の設置が義務づけられています。
従来のサイレン音は、必要以上に緊張感をあおり、パニックに陥る場合が多々ありました。実際、誤操作、誤作動によるサイレンが冷静な判断能力を著しく低下させた事例が報告されていました。さらに地下街や超高層ビル等ではサイレンのみでは出火階の特定が困難で、適切な避難が出来ない等の問題点がありました。そこで、正確な情報伝達と確実な状況判断が出来るよう、音声警報に変更されました。
発報放送
女性の声で「ただ今 ~階の火災感知器が作動しました。確認しておりますので次の放送にご注意ください。」と自動で放送します。
火災放送(火災断定)
火災放送を起動させますと、男性の声で「火事です。火事です。~階で火災が発生しました。落ち着いて避難してください。」と自動で放送します。
非火災放送
前述の発報放送の後、誤報であることが確認されれば、非火災放送を流します。非火災スイッチを押すことにより、女性の声で「先ほどの火災感知器の作動は確認の結果異常がありませんでした。」とメッセージが自動で放送されます。
旅館や病院では、収容人員が20人を超えると、非常警報設備が必要になります。非常べルやサイレンなどを設置し、火災を速やかに知らせられるようにします。非常ベルや自動サイレンなどが必要になり、手動式器具は使用することができません。
非常ベルは、25mの半径の円で包含出来るように配置します。自動火災報知設備などで設置するベルがある場合は、その有効範囲において、非常警報設備と同様であるとされ、非常ベルを免除することができます。
非常ベルやサイレンは、1m離れた場所で90デシベル以上の音響を出すように義務付けられています。しかし、カラオケボックスやスタジオなど、周辺に90デシベルに近いような大音響が常時発生しているような場合、ベルの音が聞こえません。このような場合は、カットリレーを設け、火災信号で非常警報以外の音響を停止させるなどの措置が必要になります。