誘導灯

画像:誘導灯

劇場や病院、百貨店など、不特定多数が出入りする建物には、原則として全ての建物に誘導灯を設置する必要があります。共同住宅や工場など、特定の人が使用する建物の場合、地階・無窓階・11階以上の階で、誘導灯を設置する義務が発生します。

事務所や工場など、防火対象物を使用する人が建物構造を理解している場合(特定防火対象物に該当しない場合)は、避難する方向や避難扉の位置などを理解しているものとされますので、誘導灯の設置基準が緩和されています。所轄消防の協議によっては、本来設置しなければならない室に誘導灯を設置しなくて良いということも考えられます。

しかし、ショッピングセンターや劇場・ホテルなど、防火対象物が不特定多数に使用される用途の場合、施設利用者は非常時避難する方向を詳しく理解していないため、災害が発生するなどして建物から避難する場合、避難時間が長くなる傾向にあります。無窓階の場合はさらに要件が厳しくなります。

また、誘導灯は設置対象となる防火対象物の用途によって、必要になる面積基準が変わります。不特定多数の人員を収容する百貨店や店舗等は設置基準が厳しくなっていたり、逆に事務所などは百貨店等と比べて基準が緩いなど、建物用途による違いがあります。

誘導灯の種類

  • 一般型
    ピクトグラム表示の照明のみで、他の付加機能を有しない誘導灯です。通路誘導灯には一般型が使用されます。
  • 点滅式誘導灯
    ピクトグラム表示の照明の他に、光で避難口の方向を知らせる装置が付加されています。点滅式誘導灯には火災報知器と連動して明るさが100%-36%(停電時36%-10%)の可変を繰り返す内照式とストロボフラッシュが点滅する外照式(外付、組み合わせ、内蔵)があります。
  • 誘導音付加型誘導灯
    誘導音付加型誘導灯は、点滅型誘導灯の機能の他に点滅式誘導灯と同様に火災報知器と連動して、「ピンポーン♪ピンポーン♪非常口はこちらです 非常口はこちらです」と音声を発します。
  • 固定タラップ用
    固定タラップ用避難ハッチです。上蓋と下蓋の吊り元が逆になり、上下の蓋は連動して開きます。ケース内にはしごは取付きません。
  • 長時間定格型
    長時間定格型は停電時の非常点灯時間が一般の20分から1時間に延長されています。高層ビルなどに使用されます。

関連法令